
「親にスマホを持ってもらったのに、結局ほとんど使えていない……」
そんなふうに悩んでいませんか。
最初は「電話とLINEくらいならすぐ慣れるだろう」と思っていても、実際に教え始めると、同じことを何度も聞かれたり、こちらが少し画面を触っただけで「今どこを押したの?」となったりして、思った以上に大変ですよね。
私も家族にスマホを教えたとき、早く伝えようとしてつい自分で操作してしまい、あとから「結局わからないまま終わった」と感じたことがありました。教える側には簡単でも、親世代にとっては「言葉の意味がわからない」「画面が急に変わるのが怖い」「間違えたら戻れない」が同時に起きていることがあります。
この記事では、高齢の親にスマホを教えるときにぶつかりやすい壁と、イライラせずに伝わりやすくするコツを、家庭で実践しやすい形でまとめました。
親にとっても子どもにとっても負担が少なく、「少しずつできることが増えていく」教え方のヒントになればうれしいです。
- ✨ 高齢の親がスマホ操作でつまずきやすい理由
- ✨ 家族がイライラしにくい教え方のコツ
- ✨ 電話やLINEなど、最初に教えると安心な内容
✨離れて暮らす親にも伝わりやすいサポート方法
まずは「自分で触ってもらう」のが一番の近道

高齢の親にスマホを教えるとき、最初に意識したいのは、教える側が操作しすぎないことです。
隣で見ていると、つい「貸して、こうやるんだよ」と手を出したくなりますよね。実際、そのほうがその場では早く進みます。
ただ、それを続けていると、親は「見ていたけれど自分ではできない」という状態になりやすいです。
私も最初は、LINEの開き方や写真の見方を急いで教えようとして、自分で画面をどんどん進めてしまっていました。すると、その場では「なるほどね」と言っていても、翌日には「どこを押すんだっけ?」と最初からやり直しになってしまったんです。
一方で、時間がかかっても本人の手で
- ホーム画面に戻る
- LINEを開く
- 写真を見る
- 電話に出る
といった操作を繰り返した日は、次に聞かれる回数がかなり減りました。
スマホは、見て覚えるより自分の指で触って覚えるほうが身につきやすい道具です。
教えるときは、隣で画面を指差しながら「そこを軽く押してみよう」「下の家のマークのところに戻ろう」と声をかける程度にとどめて、できるだけ親自身に操作してもらうのがおすすめです。
小さなことでも「自分でできた」という感覚があると、次にスマホを触るハードルがぐっと下がります。
なぜシニア世代はスマホ操作でつまずきやすいの?

「どうしてこんな簡単なことがわからないのだろう」と感じることがあるかもしれません。
でも、親世代がスマホでつまずきやすいのには、ちゃんと理由があります。
ただ不器用なのではなく、今まで慣れてきた道具との違いや、年齢とともに出やすい不安が重なっていることが多いです。
ガラケーとスマホの「仕組みの違い」が壁になる
長くガラケーを使ってきた親世代にとって、スマホは見た目以上に別の道具です。
ガラケーには物理ボタンがあり、押した感触で「操作できた」とわかりました。けれど、スマホは画面を軽く触れて操作します。
この違いは、思っている以上に大きいです。
親からすると、
- 強く押したのに反応しない
- 爪で押したら動かない
- 逆に少し触れただけで違う画面になる
ということが起きるので、「自分の操作が合っているのか」がわかりにくいんですね。
特に最初のうちは、「押す」ではなく「軽く触れる」という感覚そのものに慣れていません。
そのため、「もっと強く押してみて」ではなく、「ポンと軽く触れる感じで大丈夫だよ」と伝えたほうが伝わりやすいです。
画面が切り替わると、自分が今どこにいるのかわからなくなる

高齢の親にスマホを教えていて意外と多いのが、難しい機能よりも画面の移動で混乱することです。
たとえば、LINEを開いていたのに通知が出たり、うっかり広告を押してしまったり、別の画面に飛んだだけで「もうわからない」と不安になってしまうことがあります。
若い世代だと何気なくこなしている
- 戻る
- ホームに戻る
- アプリを閉じる
といった動きも、親世代には一つひとつが別の壁です。
以前、家族に写真の見方を教えていたときも、写真そのものより「この画面からどうやって元に戻るの?」で止まることがよくありました。
つまり、操作そのものよりも、迷子になったときの逃げ道がわからないことのほうが大きな不安になりやすいんです。
だからこそ最初に教えたいのは、便利機能よりも
- ホーム画面に戻る
- 電話に出る
- 電源を入れ直す
この3つです。
ここができるだけでも、「変な画面になっても戻れる」という安心感が生まれます。
「壊したらどうしよう」という怖さがある
親世代がスマホを避けがちな理由の一つが、失敗への怖さです。
「変なところを押したらお金がかかるかもしれない」
「設定をいじって壊したら困る」
「知らないうちに誰かに情報が漏れたら怖い」
こんな気持ちを持っている方は少なくありません。
実際、ニュースなどで詐欺や高額請求の話を見聞きしていると、なおさら慎重になりますよね。
教える側からすると「そこまで気にしなくても」と思うかもしれませんが、親にとっては、スマホはまだ“慣れた道具”ではありません。
だからこそ最初に、
「少し触ったくらいですぐ壊れることはないよ」
「変な画面になっても戻せることが多いよ」
「困ったら一緒に見れば大丈夫だよ」
と、安心できる言葉を繰り返し伝えることが大切です。
操作を覚える前に、まず「触っても大丈夫」と感じてもらうことが出発点になります。
家庭で実践しやすい、伝わる教え方のコツ

ここからは、実際に家で教えるときに意識しやすいコツを紹介します。
難しいテクニックではなく、すぐに取り入れやすいものばかりです。
専門用語は、できるだけ普段の言葉に言い換える
スマホの説明でつまずきやすい原因の一つが、言葉です。
「タップ」「スワイプ」「アイコン」「アプリ」などは、使い慣れていない人にはそれだけで負担になります。
教えるときは、できるだけ日常の言葉に置き換えると伝わりやすいです。
たとえば、
- タップ → 軽く押す、ポンと触る
- スワイプ → 指でスーッと動かす
- アイコン → この四角いマーク
- アプリ → LINEの道具、電話のマーク
といった形です。
実際、家族に教えていても、カタカナのままだと説明が止まりやすく、言い換えるだけで理解が進むことがありました。
大事なのは、正確な専門用語を覚えてもらうことではなく、今その操作ができるようになることです。
最初は「できるようになりたいこと」を一つに絞る
親にスマホを持ってもらうと、教える側はつい「あれもこれも覚えてほしい」と思ってしまいます。
でも、最初から写真、LINE、ネット検索、地図、設定変更まで一度に教えると、ほぼ確実に混乱します。
おすすめなのは、まず
「スマホで一番やりたいことは何?」
「今できるようになったら助かることは何?」
と聞いて、一つに絞ることです。
たとえば、
- 家族とLINEしたい
- 電話だけは自分で出たい
- 孫の写真を見たい
このくらいで十分です。
実際、目的がはっきりすると、親の集中力も続きやすいですし、教える側も何を優先するか迷わずに済みます。
「今日はLINEを開くところまで」
「次は写真を見るだけ」
というふうに、小さく区切るほうがうまくいきます。
→ 親のスマホが見やすくなる!LINEの文字サイズを最大にする設定方法
→ 親とlineで友だち追加できない?
まずは電話の受け方とホーム画面への戻り方を教える
親に最初に覚えてもらうなら、便利機能よりも困ったときに役立つ基本操作です。
特に大切なのは、
- 電話に出る
- 電話を切る
- ホーム画面に戻る
- 電源を入れ直す
の4つです。
家族としても、電話に出てもらえるだけで安心感が違いますよね。
実際には、着信時の画面は機種によって違いがあります。緑の受話器を押すだけのものもあれば、横にスライドするものもあります。
なので、説明だけで終わらせず、家族から実際に電話をかけて練習するのがおすすめです。
一度で覚えられなくても大丈夫です。
同じ練習を何回か繰り返して、「この画面が出たらここを動かす」と体で覚えてもらうほうが実践的です。
電話に出られない悩みがある場合は、まず着信画面の見方を整理しておくと安心です。
メモは親自身の言葉で書いてもらう
教えた内容を紙に残すのはとても有効ですが、できれば教える側がきれいにまとめるより、親自身に書いてもらうほうが覚えやすいです。
たとえば、
- LINEは緑のマーク
- 迷ったら下の家のマーク
- 電話は緑を右に動かす
というように、本人が理解できる言葉で書くのがポイントです。
上手な文章でなくて大丈夫です。
むしろ、本人にとってしっくりくる表現のほうが、後から見返したときに役立ちます。
私も家族に教えたとき、こちらが作ったメモより、本人が自分で書いた短いメモのほうをよく見返していました。
同じことを聞かれても、「場面が違うだけ」と考える
親にスマホを教えていると、「さっき説明したのに」と思うことは何度もあります。
でも実際には、まったく同じ質問ではなく、似ているけれど画面の状況が違うことが多いです。
たとえば、電話の受け方一つでも、
- ロック画面のとき
- ホーム画面のとき
- 他のアプリを開いているとき
で見え方が変わることがあります。
以前、家族に電話の受け方を教えたときも、家ではできたのに外出先でできなくなってしまい、「また忘れたの?」と感じたことがありました。
でもよく聞くと、前回とは違う画面になっていただけでした。
こういうときに、「何度言っても覚えない」と受け取ると、お互いに疲れてしまいます。
「今は前と少し違う画面なんだね」
「じゃあ、この場合はどうするか一緒に見ようか」
と整理するほうが、親も安心しやすいですし、教える側も気持ちが荒れにくくなります。
できたことを大げさなくらい褒める
親にスマホを教えるときは、できなかったことより、できたことをしっかり言葉にするのが大切です。
- 自分で電話に出られた
- LINEを開けた
- 写真を見られた
- ホーム画面に戻れた
こうした小さな成功を、「できたね」「今のすごくよかったよ」とその場で伝えるだけでも、次に触る意欲が変わります。
親世代は「自分には無理かも」と感じながら触っていることが多いので、成功体験があると一気に前向きになります。
逆に、「前も言ったよね」「なんでまた忘れたの」と言われると、それだけでスマホに苦手意識がつきやすいです。
教える時間を短めにして、最後はできたことを確認して終わるくらいがちょうどいいです。
離れて暮らす母に電話でスマホの操作を教えようとするのですが、お互いの見ている画面が違いすぎて、いつも喧嘩になって終わってしまいます。どうすればスムーズに教えられますか?
電話だけで画面の状況を把握するのは、本当に難しいですよね。
私たちアドバイザーでも、言葉だけでご案内するのは至難の業です。
そんな時は、ぜひ「スクリーンショット(画面保存)」を活用してみてください。
お母様に現在の画面をスクショしてLINEで送ってもらえば、一目で状況がわかります。
その画像に、赤丸などで「ここを押してね」と印をつけて送り返すと、言葉以上に伝わりやすいですよ。
また、帰省した際にあらかじめ「スクショの撮り方」と「画像の送り方」だけは一緒に練習しておくことを強くおすすめします。
これができるだけで、遠隔でのサポートが劇的に楽になりますし、不審なメールが来た時の詐欺対策にも役立ちますよ。
離れて暮らす親には、電話だけで教えようとしない
離れて暮らしている親にスマホを教える場合、電話だけで説明しようとすると、うまくいかないことが多いです。
「今どの画面?」
「そこに何が見えてる?」
「下に何か出てない?」
と聞いても、見えているものが違うので、話がかみ合わず、お互いに疲れてしまいますよね。
そんなときに役立つのが、スクリーンショットです。
親に今の画面を保存してLINEで送ってもらえれば、こちらも状況を把握しやすくなります。
さらに、その画像に「ここを押してね」と印をつけて返せば、言葉だけで説明するよりずっと伝わりやすいです。
帰省したときなどに、あらかじめ
- スクリーンショットの撮り方
- LINEで画像を送る方法
だけは一緒に練習しておくと、その後のサポートがかなり楽になります。
これは操作説明だけでなく、怪しいSMSや不審な画面が出たときの相談にも役立つので、覚えておいてもらう価値があります。
家族だけで難しいときは、外部のサポートを使ってよい
親にスマホを教えると、どうしても感情が入ってしまうことがあります。
親子だからこそ遠慮がなくなり、
- 言い方がきつくなる
- 親が素直に聞けなくなる
- お互いに「もういい」となる
ということも起こりやすいです。
もし家族だけで教えるのがしんどいと感じたら、無理をしなくて大丈夫です。
携帯ショップや自治体、地域の講座などで開かれているスマホ教室を利用するのも立派な方法です。
第三者から教わるほうが、親が落ち着いて聞けることもよくあります。
家族は日常的なフォロー役、外部の教室は基礎を学ぶ場所、と役割を分けると負担が軽くなります。
全部を家族だけで何とかしようとしないほうが、長く続けやすいです。
家族だけで抱え込まず、ショップのスマホ教室を使う方法もあります。
→ 親を通わせたい!ドコモ・au・ソフトバンクの無料スマホ教室の予約方法とは?
高齢の親にスマホを教えるときは「不安を減らす」ことから始めよう
高齢の親にスマホを教えるとき、つい「便利に使えるようにしてあげたい」と思いますよね。
もちろんそれも大切ですが、最初に必要なのは、機能を増やすことより不安を減らすことです。
親世代は、難しい操作そのものよりも、
- 間違えたらどうしよう
- 元に戻れなかったら困る
- 壊したら怖い
という気持ちで止まってしまうことが少なくありません。
だからこそ、最初は
- 自分の手で触ってもらう
- 言葉をわかりやすく言い換える
- 一度にたくさん教えない
- できたことを一緒に喜ぶ
この4つを意識するだけでも、かなり教えやすくなります。
親にスマホを教える時間は、うまくいかない日もあります。
でも、「今日はホームに戻れた」「今日は電話に出られた」という小さな積み重ねが、あとから大きな安心につながります。
焦って一気に覚えてもらおうとせず、親のペースに合わせて進めていきましょう。
スマホが使えるようになると、離れて暮らしていても連絡が取りやすくなり、写真や動画を送り合う楽しみも増えます。
便利さだけでなく、家族のつながりを感じやすくなるのも、スマホの大きな良さです。
少しずつで大丈夫です。
「今日できたこと」を一緒に増やしていく気持ちで、無理なくサポートしてみてください。